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【入れ歯安定剤について】

2018.04.29 カテゴリ:お知らせ, さくら歯科通信

杉並区下井草の顕微鏡歯科・予防歯科・未来型歯科:さくら歯科の吉村です。

今回は入れ歯安定剤についてまとめてみました。

 さくら歯科では、入れ歯安定剤の使用に対しては、肯定的にとらえています。それは、人生を楽しんで欲しいと考えているからです。「人前で話す時に、不安だ。」「歌(唄)が趣味で、発表会がある。」「孫と食事をした時に、同じものを食べたい。」是非、安定剤を使用して、不安なく、生きている事を楽しんで欲しいです。


クリームタイプですが、出しすぎです(笑)

 それには、幾つかのアドバイスがございます。
☆まず歯科医師の診察を受けてください!
入れ歯安定剤は、「入れ歯がゆるくなった」時に使うことが多いと感じます。しかし、本来は適切に調整をしても、まだ動いて具合が悪い時に、もしくは唄を歌うなどの通常使用以外ではずれることがあるときに、使用をおすすめするものです。

 言い換えると、入れ歯が合っていないという理由で、入れ歯安定剤と使用することは控えてください。まず、お使いの入れ歯を歯科医師に診察を受けて、(必要に応じて)調整したのにも関わらず具合が悪い、あるいは新しく入れ歯を作り替えたのに具合が悪いという場合に、初めて入れ歯安定剤の使用を検討します

☆入れ歯安定剤も種類があります。 
 入れ歯安定剤には,クッションのあるゴム状で,”入れ歯と歯ぐきの間にできた隙間を埋めて入れ歯を安定させるもの”と”粉末やクリーム状で,入れ歯と歯ぐきに粘着することで入れ歯を安定させるもの”,とがあります.

・クッションタイプ(ホームリライナー)
 たとえばガタつきのある合わない入れ歯で,入れ歯と歯ぐきととの間の隙間が多いかたには、クッションタイプのものを使えば,パン生地のような材質でその”隙間”をふさぐことができます.確かに,”隙間”が無くなるのでガタつきは少なくなりますし、クッションになっていて入れ歯が歯ぐきと擦れることを和らげて痛みを少なくします。
 しかし,クッション剤を患者さんご自身が裏打ちするとき,かみ合わせの高さ,かみ合わせの関係を,自分自身で正しく仕上げることは,大変難しいことです.
⇒ 入れ歯が傾いて,噛み合わせを狂わせてしまいます.
⇒ 噛み合わせが狂ったままで噛めば,歯ぐきやそれを支える骨が大きなダメージを受けることになります.
⇒ 合っていない入れ歯を,安定剤で使い続けることを可能にしたことが,逆に口の中の状態を悪化させてしまうことになります.
 入れ歯のがたつきが多い場合は、クッションタイプを自己判断で使用せずに、歯科医師による入れ歯の裏打ちをおすすめします。
・粉末、クリームタイプ
 。一般的に難症例(なんしょうれい):入れ歯が安定することが難しい方がいらっしゃいます。歯ぐきがやせて平らだったり,唾液が少なかったり,噛み合わせが不安定であったり,舌やお口の筋肉のコントロールができない人(無意識に舌が動くなど)では,ぴったり合っていても入れ歯は動いてしまいます。そういった方には、粉末、クリームタイプの入れ歯安定剤をおすすめします。入れ歯治療の補助剤として有効と感じています。
 
 このタイプは,薄くのびるので,入れ歯も正しい位置に戻り,噛み合わせを狂わせることも少ないと思います。しかし,歯ぐきとの粘着力が大きい材料なので,完全に剥がせないままその上から繰り返し使用すると,汚れが安定剤の中に挟み込まれて,口の中が不潔になってしまいます.ていねいにティッシュペーパーなどで拭い取る必要があります.
 また,一般に,多く盛りすぎる傾向が見られます。(総入れ歯で、小豆3個分程度が適正です。)量が多すぎると口の中が粘つき不快を感じるようになります.これらのことに十分注意を払いながら使用して下さい.何よりも定期的な歯科受診が大切であることはいうまでもありません.

 
 最後に個人的な感想ですが、粉末タイプは、クリームよりも薄く付いても密着し、違和感が少なく感じるそうです。また、チューブタイプより使いやすい、剥がしやすい、入れ歯の手入れが比較的に簡単と伺うことが多いです。粘着する(落ちない、浮かない)力は、チューブタイプに軍配があがるようです。入れ歯安定剤を選ぶ時に参考になさってみてください。
 

社団法人 日本補綴歯科学会(http://www.hotetsu.com/sp_p5.html#5-1)参考